ビジネスモデル特許を取得するための特許要件

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ビジネスモデル特許を取得するための特許要件

今回は、あなたの新しいビジネスアイディアが、特許登録になるためには、どのような特許要件(審査での条件)を満たす必要があるのか、主な特許要件について説明します。

特許庁審査官は、特許要件を満たしているかどうかで特許にするかどうかを判断します。たとえ一つでも満たしていない特許要件があると拒絶されます。

ビジネスモデル特許の特許要件

先の記事でも触れましたように、ビジネスモデル特許はコンピュータ・ソフトウェア発明の一類型と位置付けられます。このため、基本的に特許要件は、ビジネスモデル特許であろうと、通常のモノの発明であろうと同じです。分かりやすくするため、主な特許要件を大きく2つ(内容的な特許要件/記載的な特許要件)に分けます。

A:内容的な特許要件

  • 発明成立性(発明該当性)
  • 新規性
  • 進歩性

B:記載的な特許要件

  • 実施可能要件
  • 特許請求の範囲の記載要件

内容的な特許要件

特許出願(申請)時に必要な書類の一つに、特許明細書があります。特許明細書は最も重要なもので、この書類に特許申請したい発明(ここでは、あなたの新しいそのビジネスアイディア/ビジネスモデル特許)がどのようなものであるかを記載します。

発明該当性

内容的な特許要件のうち、発明成立性(発明該当性)は、そもそも特許法でいう発明に該当しているかどうかということです。ビジネスモデルに特有の拒絶理由といえます。ビジネスモデル特許関連の場合、コンピュータ・ソフトウェアを使ってない人同士の商売上の新しいルール約束事契約事の範疇(「人為的取り決め」といいます)、コンピュータ・ソフトウェアを使っていても、一部・途中で、人間が行う人為的取り決めや人間が行う作業が発生している、といった場合、発明非成立(発明非該当)となります。

新規性

内容的な特許要件のうち、新規性は、世の中に同一の発明がないかどうかということです。
例えば、
 ○あなたの発明=A+B
 ○世の中の文献1=A+B
となっていれば、新規性がない、となります。

進歩性

進歩性は、世の中に同一の発明は無いとしても、似たようなものがないかどうかということです。
例えば、 
 ○あなたの発明=A+B
 ○世の中の文献1=A;文献2=B で文献1のAと文献2のBを組み合わせ可能
となっていれば、進歩性がないとなります。

記載的な特許要件

記載的な特許要は、内容的な特許要件と違って、書類上の書き方の形式的な要件です。とはいっても単純な書誌的事項を記載するとかではなく、発明内容を書き方ルール上に載せて記載するというイメージです。

実施可能要件

簡単にいえば、特許明細書において、特許申請したい発明を実施できるに十分といえるほどに記載されていない。つまり、説明が足りていない、ということです。

ではどの程度記載すれば十分なのか、曖昧といいますか、結構主観的とも思われますが、実務的に大体このくらい、こんな感じで記載すれば大丈夫というものがあります。この点日々実務を行っている弁理士は理解しています。

記載要件(明確性)

特に、特許請求の範囲において、現在の書き方だと、発明の内容が明確に特定できないため、記載が不明瞭・不明確である。

特許請求の範囲はただでさえ特殊な記載なので、どの程度記載すれば明確なのでしょうか。ビジネスモデル特許はコンピュータ・ソフトウェア発明の一類型ですので、ズバリ、

  • 登場するデバイスおよび取り扱われるデータを定義し、
  • デバイス間でそのデータがどう流れて、どう処理されるか

がしっかり記載されていることであると思います。

しつこいようですが、ビジネスモデル特許はコンピュータ・ソフトウェア発明の一類型です。ですので、特許請求の範囲は、あくまでコンピュータ・ソフトウェア発明であるとの位置付けで記載がされていないといけません。そうでなければ、発明成立性違反、記載要件違反となってしまいます。

まとめ

  • ビジネスモデルでは、、発明該当性も問題となることがある。
  • 新規性はまったく同一のものが存在した状態。進歩性は似たような技術がある状態。
  • 明確性は、請求の範囲で、デバイス及びデータを定義すること、データの流れ・処理を記載すること。
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