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(ビジネスモデル特許の新規性・進歩性とは?)
ビジネスモデル特許は特許登録になりにくいとよくいわれます。新規性・進歩性という特許要件をクリアしにくいという理由のためです。今回は、コンピュータ・ソフトウェア発明の一類型と位置付けられるビジネスモデル特許の新規性と進歩性について考えたいと思います。
新規性は、世の中に同一の発明がないかどうかということです。進歩性は、世の中に同一の発明は無いとしても似たようなものがないかどうかということです。さてそれでは、あなたのビジネスモデル特許の場合、世の中に同一の発明がない(新規性)、似たようなものがない(進歩性)、というといかがでしょうか。
例えば、使用するデバイスは、サーバとスマホ(又はPC)とインターネット。全て既に世の中にあるものです。ビジネスモデル特許の場合、モノそれ自体の発明ではないので、当然そうなります。では、取り扱うデータそれ自体やそのデータ処理の点ではどうでしょうか。
データそれ自体も恐らく従来より存在するデータ(情報)でしょうから、データ処理の点で新規性と進歩性がなくては特許になりません。では、データ処理の点で新規性と進歩性はあるかというと、ビジネスモデル特許の場合、データ処理の1つ1つは、従来よりよくあるデータ処理のことが多いのです。そうすると、新規性と進歩性が無いので、特許にならないのか、そうではありません。
実はビジネスモデル特許の場合、データ(情報)とそのデータ処理の組み合わせに新規性と進歩性はあることが多いのです。分かりやすくいうと、そのデータ(情報)を、そのようなデータ処理をすることが、斬新で従来世の中に同一、にたようなものがない、ということで、新規性と進歩性はあると判断されることが多いのです。
※勿論、データ(情報)、データ処理自体に新規性・進歩性があるならば何ら問題なく、それに越したことはありません。
もう1つ重要なのは、発明の効果です。データ(情報)とデータ処理そのものは従来から存在するものですから(するとして)、特許庁審査官としては、新規性・進歩性はないと判断しがちです。しかし、そのビジネスモデル特許は、データ(情報)とデータ処理の組み合わせに新規性と進歩性はあるということを認めてもらうには、そこからどのような新たな効果が生み出されるのかを特許明細書に十分に強く説明し主張しなくてはなりません(して下さい)。
仮に新規性・進歩性がないと判断されたとしても、そのデータ(情報)をこういうデータ処理にかけることが新規で進歩的であるとの点、およびそこから生じる斬新な効果を強く主張し、そのビジネスモデル特許発明に新規性・進歩性があることを理解してもらうためです。