特許についてわかりやすく解説-権利発生時期や権利期間-
特許についてわかりやすく解説-権利発生時期や権利期間-
特許について出願するといつ頃権利が取得できるのかといったことや、権利の期間(長さ)はどのくらいなのかと疑問を持つ人もいると思います。
ジャンルの特性もあり、難しい言葉や専門的な言葉を使ったページが多く、初心者に丁寧なページがあまりないため、この記事では上記のような特許についての基本情報をわかりやすく解説していきたいと思います。
特許を出願してから権利が発生するまでの期間
特許は出願しただけでは権利は発生しません。
特許になるかどうか審査をして欲しい場合は、審査請求の手続きをする必要があります。審査請求をすることができる期間は出願から3年以内と定められているため、その間に手続きが必要となります。
審査請求を行うと特許庁で審査が行われるのですが、すぐに審査が行われるわけではなく審査請求がなされた出願を順々に審査をしていくので自分の順番まで待つということになります。
近年では最初に特許庁からのアクションがあるまでの期間(ファーストアクションまでの期間)は10カ月未満となっています。また、早期審査という制度もあり、早期審査を申請した場合にはファーストアクションまでの期間は3カ月未満となっていて、より早い審査をお願いすることもできます。
審査の結果で拒絶理由がなければすぐに登録となりますが、拒絶理由が出た場合には拒絶理由への対応が必要になり、さらに登録までの期間がかかることになります。
特許査定を受けた後に登録料を払ったら登録となりそこで特許権が発生するのですが、上で説明したように、審査請求の方法や、審査の内容に応じてかかる期間が異なってきます。
早期審査をしてすぐに特許になる場合は、出願から1年かからずに権利化をすることができますが、長くかかる場合は5年以上かかる場合もあります。
特許を取るまでの期間については次の記事に詳しく書いています。
特許権の期間
日本の特許権の期間は、基本的には出願から20年となっています(医薬品だけ特例で5年まで延びるケースがあります) 。 審査に時間がかかってしまうと、せっかく権利が取れても権利が有効な期間が短くなってしまうので、早期審査制度を利用して早めの権利化を狙うのが有効となる場合が多いです。
ただし、権利期間を維持するためには特許年金(維持年金)を支払う必要があります。
最初の3年は登録時にまとめて払うのですが、それ以降は特許権を維持するためは特許年金という料金がかかります。特許年金は長く権利を維持するほど料金が高くなっていく設定なので、必要な権利なのか、年金を払ってまで維持する効果はないのか、をよく検討して、精査していくことが大事になります。
特許期間満了後
出願から20年の特許期間が満了した後は、その技術は一般に開放されることになり、その特許と同じ技術は自由に実施することができます。
出願から20年経つ前に年金不納により特許権が消滅することはありますが、その場合はそれ以外の周辺特許が生きている可能性もあるので、権利が消滅したからといって安心して実施できるわけではないので、周辺特許の調査をしたうえで実施する必要があります。
まとめ
今回は特許の権利の発生時期や権利期間について解説させていただきました。 審査状況によって変動する要素はあるものの、だいたいの時期は予想できるので、権利化できそうな時期を頭に入れながら、有利に商品を展開していきたいところですね。
この商品はこんな特許が取れてるので、是非うちの商品を選んでください!とアピールできたら売り上げにも貢献できると思うので、特許権を営業トークに織り交ぜながらの戦略を練ってみてはいかがでしょうか。