PCT出願の費用について

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PCT出願の費用について

今回はPCT出願(国際出願)にかかる費用について説明します。PCT出願の前後のステップでも費用がかかりますので、その点についても説明します。以下に示すように、特許庁に支払う費用特許事務所に支払う費用とにわかれています。

PCTの前にかかる費用

PCT出願をする場合、PCT出願とは別に、日本国内の権利化を目指して、まず日本の特許庁に出願することが一般的です。この日本の出願には、出願時だけで20万円〜30万円かかります。内訳としては、ほぼ特許事務所(弁理士)の手数料となります。このように、はじめに日本の特許出願をしておけば、その後にPCT出願する際には、申請書類を流用することができます。

弁理士おびかね
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一般的に、まず日本の出願をすることが多いです。

一方、日本の出願をせずに、最初からPCT出願することもできます。この場合、日本の特許出願の申請書類を流用できないため、PCT出願をするときに申請書類を作成する必要があります。この申請書類は、特許事務所に依頼することになるため、やはり20万円〜30万円必要になります。

PCTの前の費用(ほぼ特許事務所の手数料)

PCTの前の費用は20万円~30万円

PCT出願時にかかる費用

PCT出願をする際には、日本の特許庁に対して所定の様式のPCT出願をする必要があります。PCT出願の様式や規則は細かいので、専用のソフトウェアを用いてすることになります。

自分自身ですべての様式や規則を調べてPCT出願することもできますが、あまり現実的ではありません。そのため、多くの場合は日本の特許事務所に依頼することになります。特許事務所に依頼すると、様式や規則に沿った書類を作成してくれます。

そうすると結局のところ、PCT出願の時点で

  1. 特許庁に支払う費用
  2. 特許事務所に支払う費用

を支払うことになります。以下に説明します。

特許庁に支払う費用

特許庁に対して以下の(1)-(3)の費用を支払う必要があります。

特許庁に支払う費用

(1)国際出願手数料
a. 国際出願の用紙の枚数が30枚まで 153,600円
b. 30枚を超える用紙1枚につき 1,700円
c. オンライン出願した場合の減額 -34,600円

(2)送付手数料 10,000円

(3)調査手数料 70,000円

例えば、用紙の枚数が30枚未満の場合だと、合計で約23万円(153,600円+10,000円+70,000円=233,600円)となります。この特許庁に支払う費用は非課税です。

弁理士おびかね
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けっこう高いですよね。

特許事務所に支払う費用

特許事務所に様式や規則に沿った書類作成を依頼すると、10万円~20万円の手数料がかかります。

特許事務所に支払う費用

10万円~20万円

弁理士おびかね
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PCTの出願は、各国へ展開する基本となるものなので、外国の実務を考えながら書類を作成する必要があります。

減免と交付金について

上で説明した費用のうち、特許庁に支払う「(2)送付手数料10,000円」と「(3)調査手数料70,000円」については、出願時に軽減の申請手続きをすることで、減免(=減額)されます。つまり、これらの手数料は、出願の時点で割引にすることが可能です。具体的には、1/3減免が適用される場合は26,660円払えばよいし、1/2減免が適用される場合は40,000円払えばよいです。

また、特許庁に支払う「(1)国際出願手数料(153,600円~)」については、出願時に『オンライン出願した場合における減額』が受けられるので119,000円になります。出願時に支払った後に、交付の申請手続きをすることで交付金(国際出願促進交付金)として返却されます。具体的には、2/3交付が適用される場合は79,330円が返却されますし、1/2交付が適用される場合は59,500円が返却されます。

PCT出願時の費用まとめ

減免なしの場合:PCT出願の費用は合計33万円~43万円

減免ありの場合:PCT出願の費用は合計18万円~28万円

弁理士おびかね
弁理士おびかね

申請条件を満たすのであれば、ぜひ減免や交付金を利用したいところですね。

PCTの後にかかる費用

国際出願(PCT出願)は「出願」についての制度ですので、国際出願をしただけは、各国で審査が進むわけではありません。各国で権利を取得するためには、「国内移行」という手続きをして、各国での審査を進める必要があります。この国内移行をするためには、日本の特許事務所に依頼すると、日本の特許事務所が外国の特許事務所に依頼して手続きを進めることになります。以下のような費用がかかってきます。

日本の特許事務所に支払う費用

  • 仲介手数料:日本の特許事務所が、各国の現地代理人に対して、手続きを依頼(仲介)するための手数料です。通常は10万円~15万円かかります。特許事務所の依頼(仲介)といっても、単に紹介するだけでなく、審査途中のやり取りのサポートもしてくれます。
  • 翻訳代:文字通り、申請書類を各国の言語に翻訳するための費用です。例えば、日本語から英語に翻訳することになります。申請書類の文章量や言語の種類によって異なりますが、概ね10万円~50万円かかります。
弁理士おびかね
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英語が苦手な方には、やり取りの翻訳も引き受けます。

外国の特許庁に支払う費用

これは各国の物価と同様に、国ごとに大きく異なります。例えば、EP(欧州全域を指定)の場合は約50万円かかりますし、米国の場合は約40万円かかります。東南アジアなどの物価の安い国ですと1万円~3万円で済むことも多いです。

弁理士おびかね
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特にヨーロッパは庁費用も高いです。

外国の特許事務所に支払う費用

各国の現地代理人が、国内移行の手続きを行うために必要な手数料です。こちらも各国の物価によって大きく異なります。例えば、EPや米国の場合は約30万円かかりますし、東南アジアの場合は3万円~15万円ですみます。その後、各国の審査で拒絶理由の対応を強いられた場合には、5万円~30万円/回の手数料がかかります。

弁理士おびかね
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ここがいちばんお金がかかりますね。

PCT出願の後の費用

国毎に30万円~120万円

まとめ

以上の説明をまとめると、以下のようになります。

まとめ
  • PCTの前の費用は20万円~30万円
  • PCTの費用:減免なしだと、PCTの費用は合計33万円~43万円
  • PCTの費用:減免ありだと、PCTの費用は合計18万円~28万円
  • PCTの後の費用は国毎に30万円~120万円

特に、PCTにかかる費用は、減免や交付金を利用すれば安くなるので、積極的に利用したほうがよいでしょう。弊事務所パテントボックスは、減免や交付金の取り扱い経験が豊富ですので、お気軽にご相談ください。

弁理士おびかね
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お気軽にご相談ください。国際出願からの依頼も受け付けております。

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