特許申請の費用を完全解説

特許申請の費用を完全解説
特許申請(専門的には「特許出願」といいます)したいけど、費用がどれくらいかかるのかわかりにくいですよね?
この記事では「特許申請(特許出願)に実際にどれくらいの費用がかかるのか」について、
- 自分(自社)で全部やった場合
- 弁理士に依頼した場合
に分けて、具体例を交えつつ全て説明していきます。
自分(自社)で全部やった場合の費用
はじめに、個人や法人が、特許申請から特許権の権利取得までの全ての手続きを自分でしたときにどのくらいの費用がかかるのか、について説明します。個人や法人が自分(自社)で全部やる場合には、特許庁の費用のみが必要になってきます。

特許庁の費用だけですので、弁理士に依頼するよりは安くなります。
特許申請から特許権の権利取得までの流れは、以下のようになっています。
特許の申請書類を特許庁に提出する行為をいいます。
審査請求をしないと審査がスタートしません。実際には、審査請求をした後、約10か月は審査の順番待ちになります。早期審査を利用すれば約2か月に短縮されます。
審査されると、ほとんどのケースで特許庁から拒絶理由(審査結果=不合格;特許にできない理由)が通知されます。拒絶理由に対しては、出願人側が意見書+補正書を提出して反論することで、後に半分くらいは特許になります。
拒絶理由に対して反論しても、審査官の判断が覆らない場合は拒絶査定となり審査が終了します。この拒絶査定に納得いかない場合は、特許庁内の上級審である拒絶査定不服審判を請求することができます。
めでたく特許査定(審査結果=合格)が通知されると、最初の1年~3年の特許権の維持費用をまとめて特許庁に支払うことで特許権が成立します。
出願時
特許出願の出願料(庁費用):14000円
すべてのケースで同額になっています。それほど高くはないと思います。
審査請求時
特許の出願審査請求料:138,000円+(請求項の数×4,000円)
請求項の数によって増減するように式で計算します。請求項の数が増えると審査官の負担が増えるからです。
例)請求項の数が5であれば、庁費用は 138000円 +(5×4000円)= 158,000 円 となります。

庁費用の中では審査請求料が一番高いです。
拒絶理由通知時
自分(自社)で意見書と補正書を作成・提出するので、とくに費用はかかりません。
(必要な場合のみ:拒絶査定不服審判時)
拒絶査定になっても諦めずにチャレンジする場合のみ必要な費用です。
特許の審判請求料:49,500円+(請求項の数×5,500円)
請求項の数によって増減するように式で計算します。 請求項の数が増えると審判官の負担が増えるからです。
例)請求項の数が5であれば、庁費用は 49,500円 +(5×5,500円)= 77,000 円となります。

審判請求するケースは全体の1割未満です。
登録時
最初の1年~3年の特許権の維持費用は、登録時に3年分まとめて特許庁に支払います。
第1年から第3年まで:毎年 4,300円+(請求項の数×300円)
請求項の数によって増減するように式で計算します。
例)請求項の数が5であれば、庁費用は 毎年4,300円+5×300円=5,800円 なので
3年分をまとめると 3×5800円=17,400円となります。
自分(自社)で全部やった場合の合計金額
そうすると、合計すると以下のようになります(拒絶査定不服審判を除く)。
例)請求項の数が5であれば
1400円+158000円+17400円 =189400円 となります。約20万円です。
※拒絶査定不服審判を請求した場合には上記の金額に、さらに77,000円を加えた額になります。

自分(自社)でやっても約20万円はかかります。
★費用を抑えるための減免申請について
いかがでしたでしょうか。請求項の数が5の標準的な場合でも、20万円弱の庁費用がかかりますので、結構な負担になります。そのため、特許庁でも、特に中小企業や個人事業主を対象として、費用が安くなる制度(「減免」といいます)を用意しています。一定の条件を満たせば、審査請求料と登録後の維持費が減免の対象となっています。具体的には、審査請求料と維持費が1/2又は1/3に減額されます。
例)請求項の数が5で1/2減免なら、審査請求料は 158,000×1/2=79,000円になります。
同様に、請求項の数が5で1/2減免なら、維持費(1-3年分)は 17,400円×1/2=8,700円 になります。
例)請求項の数が5で1/3減免なら、審査請求料は 158,000×1/3=52,660円(10円未満は切捨)になります。
同様に、請求項の数が5で1/3減免なら、維持費(1-3年分)は 17,400円×1/3=5,800円 になります。

条件を満たす場合には、減免は必ず利用しましょう。
弁理士(特許事務所)に依頼した場合の費用
弁理士(特許事務所)に依頼した場合には、特許庁費用の他に特許事務所の手数料がかかってきます。以下に示す手数料は平均的な額です。
出願時
弁理士が、過去の経験や特許法などの法律に基づいて、依頼人に代わって申請書類を作成してくれます。弁理士・特許事務所によっても異なりますが、代行手数料は20万円~40万円くらいかかります。
特許出願の出願料(庁費用):14000円
特許事務所の手数料:20万円~40万円

特許事務所の手数料の中では、出願時が一番高いです。出願書類の作成にもっとも手間がかかるからです。
審査請求時
審査請求は出願日から3年以内にする必要があります。これを忘れて3年を過ぎてしまうと、出願が取り下げられたものとみなされます。特許事務所では、この期限管理をしてくれます。
例)請求項の数が5であれば、庁費用は 138,000円+(5×4,000円)=158,000円 となります。
特許事務所の手数料:2万円~5万円
拒絶理由通知時
自分でやれば費用はかかりませんが、弁理士・特許事務所に意見書と補正書の作成・提出を依頼すると手数料がかかります。なお、補正書のみの場合は半額の5万円~9万円となります。
許事務所の手数料:10万円~18万円

拒絶理由はまれに2回通知される場合もあります。その場合は特許事務所の手数料も2倍になります。
(必要な場合のみ:拒絶査定不服審判時)
拒絶査定になっても諦めずにチャレンジする場合のみ必要な費用です。弁理士・特許事務所に拒絶査定不服審判を依頼すると手数料がかります。通常、審判請求の手数料と補正書の手数料がかかります。
例)請求項の数が5であれば、 庁費用は 49,500円+(5×5,500円)=77,000円 となります。
審判請求書と補正書を提出した場合の手数料:
特許事務所の手数料:15万円~30万円
登録時
登録時には、弁理士・特許事務所に、特許料の納付費用の他、成功報酬を支払います。
例)請求項の数が5であれば、庁費用は 毎年 4,300円+5×300円=5,800円なので
3年分まとめると 3×5,800円=17,400円 となります。
特許事務所の手数料:10万円~20万円

成功報酬は特許になった場合のみです。
弁理士(特許事務所)に依頼した場合の合計金額
そうすると、まとめると以下のようになります(拒絶査定不服審判を除く)。
例)庁費用は、請求項の数が5であれば、
庁費用合計:14,000円+158,000円+17,400円=189,400円 となります。
特許事務所の手数料合計:40万円~80万円
したがって、弁理士・特許事務所に依頼した場合、庁費用と手数料を合算すると以下のようになります。
189,400円+40万円~80万円 = 約60万円~100万円
なお、弊事務所では、平均的な事務所と比べてリーズナブルな費用でサービスを提供しております。庁費用と手数料を合算しても約50万円 で 特許申請~登録まで可能です。

ぜひ弊事務所にご相談ください。
その他の費用
ここまでは申請~登録(権利化)までの手続きにかかる費用について説明してきましたが、登録後にも必要な費用があるので少し説明いたします。まずは権利を維持するための維持費用です。維持費用は年金とも言われます。
特許権の権利取得後の維持費用
まずは特許の維持費用です。特許権は出願から20年あります。このうち登録時に 1~3年分の費用はすでに支払っていますので、4年目以降の費用を支払うことになります。なお、権利が必要なくなれば、権利期間の途中で支払いを止めてしまってもOKです。維持費用は令和4年に改正されて少し値上がりしました。
- 1~3年 毎年 4,300円+請求項の数× 300円
- 4~6年 毎年 10,300円+請求項の数× 800円
- 7~9年 毎年 24,800円+請求項の数×1,900円
- 10年~ 毎年 59,400円+請求項の数×4,600円
請求項の数が5であれば、以下のように計算できます。
・1-3年 毎年 4,300円+5×300円=5,800円
・4-6年 毎年 10,300円+5×800円=14,300円
・7-9年 毎年 24,800円+5×1,900円=34,300円
・10年- 毎年 59,400円+5×4,600円=82,400円
となります。10年以降は高額ですね。

維持費用もけっこうかかります。
特許事務所に維持費用の期限管理と支払いを依頼すると、1回の納付手続きに1万円~2万円の手数料がかかります。なお、維持費用は遅くとも前年中に支払っておく必要があります。
納付期限を過ぎると権利が失効してしまうため注意が必要です。この点、特許事務所では期限が過ぎないように管理してくれますので、特許事務所に任せておいたほうがラクだと思います。
国際特許出願(PCT)の費用
日本だけでなく、外国でも特許権を取得するためには、国際特許出願(PCT)制度を利用することが一般的です。(外国で特許権を取得しない場合は飛ばしてください。)
PCTにかかる庁費用(2022年7月1日以降)
- 国際出願手数料:179,000円+2,000円×30枚を超える枚数
- オンライン出願した場合の減額:-40,400円
- 送付手数料: 17,000円
- 調査手数料:143,000円
例)30枚を超える枚数が0枚であれば、
・国際出願手数料 179,400円
・オンライン減額 -40,400円
・送付手数料 17,000円
・調査手数料 143,000円
合計 298,600円
となります。これらの金額にも減免や交付金(後日に返金される制度)があります。

PCTの庁費用も減免等を利用して賢く節約しましょう。
PCTにかかる弁理士(特許事務所)の手数料
弁理士(特許事務所)に依頼すると手数料が発生します。
特許事務所の手数料合計:15万円~30万円
まとめ
特許申請から権利取得まで、どれくらいの費用がかかるのか、「自分(自社)で全部やった場合」と「弁理士に依頼した場合」に分けて説明してきました。
- 自分(自社)で全部やった場合の合計金額:約20万円
- 減免制度を利用すると庁費用が1/2又は1/3になってかなりお得。
- 弁理士(特許事務所)に依頼した場合の合計金額:約60万円~約100万円
- 権利化後の維持費もけっこうかかる。
- 外国で権利取得する場合の費用は割合に高額となる。減免を利用できる。