特許出願から特許登録までの流れを解説

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特許出願から特許登録までの流れを解説

特許を出願して権利化するためには様々な手続きが必要になってきます。

素晴らしい発明をしただけでは特許を取ることはできないので、出願準備をして特許庁への出願手続きをすることがまず第一歩になりますが、出願しただけでは権利化することはできないので、いくつかのステップが必要になります。  

弁理士おびかね
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まずは書類を準備して特許申請します。専門的には、特許申請は「出願」と呼ばれます。


今回は特許出願から特許が権利化されるまでの流れを説明させていただきます。(前回は「特許出願までの手続き」について説明しましたので興味ある方はどうぞ。)

目次

特許出願の手続き

発明をしたら出願明細書を作って特許庁へ特許出願することが最初の手続きとなります。特許の審査は特許が出願された日を基準になされるので、他社に先を越されないように出願準備をして出願を完了させましょう。  

審査請求を行う

特許の審査を希望する場合は審査請求を特許庁に対して行うとともに、出願審査請求料を支払います。  

出願審査請求が可能な期限は出願日から3年とされているので、審査請求を忘れないように行いましょう。  審査請求が行われた出願は順番に審査されていくのですが、多くの特許出願があるため自分の出願が審査されるまでには一定の期間がかかります(「審査待ち」。  

弁理士おびかね
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特許庁も忙しいので順番待ちになってしまいます。


近年では最初に特許庁からの何かしらのアクションがあるファーストアクションまでの期間は約9カ月となっていて昔と比べると短めの期間で審査が進んでいきます。  

また、急ぎで審査をしてほしいという案件に対しては早期審査請求というものがあり、早期審査を請求することで更に短い期間での権利化も可能となっています。  

弁理士おびかね
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早期審査は、ぜひとも利用しましょう。

早期審査の条件を満たしているかについて確認はしておく必要があります。  

拒絶理由通知

審査請求をした後に、特許庁で審査が行われるのですが、特許にできない理由があった場合は拒絶理由通知というものがきます。  

弁理士おびかね
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特許庁の審査官からの「ダメ出し」です。といっても、あきらめる必要は全然ないです。


拒絶理由への応答期限は、原則として拒絶理由通知の発送日から指定期間(60日。在外者は3ヶ月)内となっていて、その期間内で対応しなければいけません。  

拒絶理由自体は半数以上の出願で通知されるものであり、一発で登録になることの方が少ないので、しっかりと対応すれば特許を取れる可能性はまだまだあるので、冷静にどう対応するか検討しましょう。  

拒絶理由通知を受けても、諦める必要はありません。うまく対応すれば、半分以上は登録になります。

多くの場合で出される拒絶理由に「新規性・進歩性がない」というものがあります。  

その場合は引例で挙げられた文献と拒絶理由の内容を検討して、対応策を練りましょう。  

対応の仕方としては、引例との差が出せるまで請求項の内容を限定する方法や、限定せずに意見書だけで違いを説明する方法等があります。  

ただし、限定する場合も明細書に書いた記載の範囲内で行わなければいけないので、拒絶理由が来た場合にも対応できるように出願時の明細書を充実させておくことが権利化には重要になってきます。  

特許査定され特許を取得

拒絶理由の対応で特許にできない理由を解消することができたら特許査定が出されます。  

特許査定をもらうことができたら、30日以内に、特許登録料を払うことで権利化することができ、念願の特許を取得できます。  

特許登録料(1-3年分の特許料)は、1-2万円です。

特許登録料を払うと、特許証が交付されるとともに、特許された内容を示す特許公報が発行されます。

弁理士おびかね
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特許証は、賞状みたいな紙で発行されます。

特許権の維持

特許権は最大で出願から20年にわたって権利を維持することができるのですが、権利を維持するためには特許維持年金を払っていく必要があります。 

特許権は最初の3年間は登録料の納付時に年金が払われるための維持されますが、それ以降も権利を維持しようとする場合、特許年金の支払いが必要となります。  

年金の料金は、年を経るにしたがって値段が上がっていく設定になっているため、権利を維持し続けるか否かは費用対効果をみて検討していきましょう。途中まで支払うけど、不要になったタイミングで、その後は年金を支払わない、といったことも可能です。   

弁理士おびかね
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不要になれば、途中で支払いをやめます。

まとめ

今回は、特許を出願してから権利化するまでの流れを説明させていただきました。 

特許を出願したら、すぐに権利が取れるというものではないので、特許が権利化されるまでのそれぞれの行程の内容を把握した上で、権利化に向けて適切に対応していくことが重要です。  

ビジネスを有利に展開するために、権利範囲が広く有効な特許取得を目指していきましょう。              

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