意匠権の存続期間は?弁理士が解説!

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はじめに

皆さんは意匠権についてご存知でしょうか?意匠権デザインを保護する権利です。近年の法改正によって、意匠権の価値がいっそう高まっています。

今回は意匠権の存続期間について、弁理士がわかりやすく説明します。以下では、法改正後(出願日が2020年4月1日より後)と法改正前(出願日が2020年3月31日まで)に分けて説明いたします。

現在の存続期間について(法改正後)

特許権や意匠権などの産業財産権は、ずーっと永久に権利が続くわけではありません。特許権の存続期間は、出願日から20年と定められています。では、意匠権の存続期間はどのくらいでしょうか。

結論から言うと、意匠権の存続期間は出願日から25年です。2020年4月の法改正以後は、存続期間の満了日の計算が【出願日から】スタートするようになっています。

もちろん、意匠権が権利として登録された時点から権利期間がスタートします。つまり、現在の権利期間は、以下のようになっています。

改正後(2020年4月1日以降)の意匠権の存続期間
  • 意匠権の権利期間が始まる日=権利が登録された日
  • 意匠権の権利期間が終わる日=出願日から25年(途中でやめた場合を除く)

そして、権利期間が終わると、誰でも自由に使うことができます。例えば、以下のようになります。

例(法改正後)
  • 出願日:2023年 5月11日
  • 登録日:2023年10月23日

⇒満了日:2048年5月11日(出願日から25年で計算します。)

以前の出願の存続期間について(法改正前)

一方、出願日が2020年4月1日以前の出願は、「登録日から20年でした。つまり、2020年4月の法改正前は、存続期間の満了日の計算が【登録日から】スタートするようになっていました。

つまり、従前の権利期間は、以下のようになっていました。

改正前(2020年3月31日以前)の意匠権の存続期間
  • 意匠権の権利期間が始まる日=権利が登録された日
  • 意匠権の権利期間が終わる日=登録日から20年(途中でやめた場合を除く)

法改正以前の計算手法だと、出願しただけでは、権利の満了が計算できなかったのです。登録されて初めて満了日が確定していました。

そのため、登録までに長期間かかってしまうと、その分だけ権利期間が延びることになっていました。例えば、以下のようになっていました。

例(法改正後)
  • 出願日:2023年 5月11日
  • 登録日:2023年10月23日

⇒満了日:2043年10月23日(登録日から20年で計算します。)

法改正の前と後でどちらが長くなるか?

ざっくり言うと、出願から登録まで特許庁での審査が5年以内であれば、法改正後の方が権利期間は長くなります。

最近は、意匠の審査はとても早く、出願から6月以内に権利化されるケースも多いです。つまり、法改正前と比べて4年以上も権利期間か伸びたと言えます。

まとめ

  • 2020年4月1日に意匠法の法改正があった。
  • 法改正後は、意匠権の存続期間は「出願日から25年」
  • 法改正前は、意匠権の存続期間は「登録日から20年」
  • 審査に要する期間を考慮しても、法改正後は法改正前より4年以上は存続期間が長くなった。
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