弁理士がわかりやすく特許の具体例を解説

はじめに
今回は特許について、わかりやすく身近な例を見ていきます。有名な商品や歴史のある製品は、どのような特許を取っていたのでしょうか。
今回は、以下の4つの特許権について紹介させていただきます。
- 雪見だいふく(登録商標)
- 傘ぽん(登録商標)
- 養殖真珠
- 餅
それでは具体的にみていきましょう。

4つとも弁理士界隈でも有名な特許だと思います。
特許の具体例
雪見だいふく
まずは、皆さんも一度は食べたことがある商品「雪見だいふく(登録商標)」です。
特許番号:特許第1537351号
発明の名称:被覆アイスクリーム類
特許の権利範囲:
略アミロペクチンより構成されるでん粉と糖類と水との混合加熱により得られる粘弾性物にてアイスクリーム類を直接全面被覆することを特徴とする被覆アイスクリーム類。
わかりやすく言うと:
特定の成分・製法のやわらかい餅で、アイスクリームを包む、というシンプルな内容です。そのため、審査過程では特許庁と争っています。それだけに、権利成立後は、かなり強力な特許権になったと言えます。
傘ぽん
特許番号:特許第2562806号
発明の名称:傘の袋収納装置
特許の権利範囲:
装置本体に傘の収納袋を装填し、その収納袋の挿入口を開放する開放操作部材を装置本体内に回動可能に設け、その開放操作部材に傘の先端を当接させて回動させることによって上記収納袋の挿入口を開放すると共に、上記開放操作部材に当接させた傘の先端を該開放操作部材の表面を滑らせながら上記挿入口から収納袋内に押し込んで収納するように構成したことを特徴とする傘の袋収納装置。
わかりやすく言うと:
製品そのものが権利となっています。つまり、傘の収納袋+収納袋の口を開放する部材+押し込んで収納、となっています。今までに全くない分野の製品だったので、割合に広い範囲で権利取得できています。
養殖真珠
特許番号:特許第2670号
発明の名称:真珠素質被着法
発明の内容:
硝子、貝殻(原文では「介殻」)、又は硝子、貝殻と等しい用をなせる物質をもって、球、又は一所切落しの球を作り、食塩をもってこれを磨くか、又は濃厚食塩水中にこれを浸し、その後、生きている真珠貝の中に挿入して、真珠素質を被らせる方法。
わかりやすく言うと:
要するに、貝殻やガラスなどを球体にし、食塩水に浸した後に、真珠貝の中に挿入する、という発明です。とても単純ですが、素晴らしい特許ですね。ちなみに発明者の御木本幸吉さんは、日本の十大発明家の一人に挙げられています。
餅(切り餅)
特許番号:特許第4111382号
発明の名称:餅
発明の内容:
焼き網に載置して焼き上げて食する輪郭形状が方形の小片餅体である切餅の載置底面又は平坦上面ではなくこの小片餅体の上側表面部の立直側面である側周表面に、この立直側面に沿う方向を周方向としてこの周方向に長さを有する一若しくは複数の切り込み部又は溝部を設け、この切り込み部又は溝部は、この立直側面に沿う方向を周方向としてこの周方向に一周連続させて角環状とした若しくは前記立直側面である側周表面の対向二側面に形成した切り込み部又は溝部として、焼き上げるに際して前記切り込み部又は溝部の上側が下側に対して持ち上がり、最中やサンドウイッチのように上下の焼板状部の間に膨化した中身がサンドされている状態に膨化変形することで膨化による外部への噴き出しを抑制するように構成したことを特徴とする餅。
わかりやすく言うと:
ちょっと請求の範囲の文言が長いです。シンプルに言うと、側面に切り込み部又は溝部を設けて、焼き上げる際に上側が持ち上がるようにして、外部への吹き出しを抑制した「餅」です。越後製菓が権利者なのですが、サトウ食品との間で侵害訴訟になったことは有名です。
まとめ
特許のわかりやすく、身近な例を見てきました。いかがでしたでしょうか。有名な製品・商品の影には、素晴らしい特許があったことがわかります。
逆に言えば、特許権で守られていたからこそ、製品・商品を独占的に販売することができ、会社が大きくなったという側面もあるでしょう。