産業競争力強化法による軽減措置について
概要
平成30年5月16日に「産業競争力強化法等の一部を改正する法律」という法律が成立しました。この法律によって、小規模の個人事業主や法人は、特許庁に支払う料金の軽減措置を受けられます。軽減措置は、平成30年7月9日以降に、特許の審査請求又は国際出願を行う場合が対象になります。
今回の軽減措置は、かなり大規模です!全体的に特許庁に支払う費用が1/3になります。特許をとるまでに、従来は15万円~20万円かかっていた特許庁に支払う費用が、6~7万円程度になる予定です。なんと10万円近く安くなります。
対象者
- 規模の個人事業主(従業員20人以下(卸売業、小売業、サービス業は5人以下))
- 事業開始後10年未満の個人事業主
- 小規模企業(法人)(従業員20人以下(卸売業、小売業、サービス業は5人以下))
- 設立後10年未満で資本金3億円以下の法人
※(3)及び(4)は、大企業の子会社など支配法人のいる場合を除く。
軽減措置の内容
- 審査請求料が1/3に軽減
- 特許料(1から10年分)が1/3に軽減
- PCT(国際特許出願)で調査手数料、送付手数料1/3に軽減
- PCT(国際特許出願)で予備審査手数料が1/3に軽減
以下は国際出願促進交付金として交付されます。「交付」とは、返金されることを意味します。一旦支払った後に返金されます。
- 国際出願手数料が1/3に軽減(納付した金額の2/3に相当する額が後日に返還されます。)
- 取扱手数料が1/3に軽減(納付した金額の2/3に相当する額が後日に返還されます。)
- 従業員2人の個人事業主ですが、今回の減免の対象となりますか?必要な書類は?
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対象となります。必要な書類は特にありません。
- 30年7月9日以降に特許申請(特許出願)する必要がありますか?
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その必要はありません。30年7月9日以降に「審査請求」すればよいので、それまでに特許申請(特許出願)していても、軽減措置は適用されます。
- 特許をとるまでに特許庁に支払う費用が、どれくらい安くなるのか、だいたいの目安を知りたいのですが?
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一般的な例として、請求項の数が5の場合で説明します。従来は、特許をとるまでに、出願料14000円+審査請求料138000円=152000円が必要でした。一方、今回の軽減措置を適用すると、出願料14000円(そのまま)+審査請求料46000円(1/3になる)=60000円になります。つまり、152000円-60000円=92000円安くなります!
- 国際出願では、「国際出願促進交付金」が返金されるとのことですが、いつごろ返金されるのですか?
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必要な書類を提出した後、約1か月程度で返金されることが多いです。案件ごとに異なりますので特許庁にお問い合わせください。