発明特許とは
発明特許とは
最近、「発明特許」と言う言葉を耳にします。この「発明特許」とは一体何を意味するのでしょうか?
結論から言うと、専門的には「発明特許」という言葉は使わないです。いきなりですみません。あえて言えば、「発明」をして「特許」をとる、という意味になると思います。
一方で、「特許発明」という言葉は存在します。これは、特許になっている発明という意味で用いられています。では、「発明」や「特許」とは、一体どんなものでしょうか?そこで、今回は「発明」と「特許」について説明します。
発明とは何か
まず、「発明」について説明します。
弁理士は、発明とは何ですか?と聞かれれば、すぐに次のように答えるでしょう。特許法には「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものをいう」と書かれています。
つまり、特許法上の「発明」とは、
- 自然法則を利用していること
- 技術的思想であること
- 創作であること
- 高度であること
の4つの条件が必要ということです。このうち、4番目の「高度であること」という条件は、他の条件(新規性や進歩性)で判断されるため、重要度は低いといえます。
特許庁の審査における「発明」とは
また、特許庁の審査基準には、発明に該当「しない」ものの例が列挙されています。以下のものは、特許法の対象外ですので特許制度では保護してもらえません。
「発明ではない」場合の例が挙げられています。
自然法則自体
例:エネルギー保存の法則や万有引力の法則
単なる発見であって創作でないもの
例:天然物から人為的に単離した化学物質や微生物
自然法則に反するもの
例:いわゆる永久機関
自然法則を利用していないもの
例:経済法則、ゲームのルール、数学の公式
技術的思想でないもの
例:技能、情報の単なる提示、美術創作物
発明の課題を解決するための手段は示されているものの、その手段によっては、課題を解決することが明らかに不可能なもの
例:誤った因果関係を前提としたもの
このように特許庁では、「発明に該当しないもの」が列挙されていますので、とても参考になりますね。
特許とは何か
次に、「特許」について説明します。
「特許」とは、発明を保護・利用を通じて、発明を奨励することで、産業を発達させるための制度です。つまり、最終目的としては、産業を発達させるための制度なのです。
特許制度は、産業を発達させることを目的として発明を奨励しています。そして、発明を奨励するために、制度として一番重要なことは、発明した人や会社が国に申請すれば、国が特許権を与えて発明を保護してくれる点です。保護しれくれれば、一生懸命に開発するインセンティブが働きます。逆に、もし特許制度がなければ、開発してもすぐに真似されてしまうため、開発をやめてしますことにつながりますよね。
ここで「保護」と言っても、国が勝手に保護してくれるものではなく、個人や会社が自ら動いて国に対して申請することが必要です。まず特許庁に申請し、審査を受けて合格すれば、申請日から20年間は発明を独占的に実施することができます。つまり、発明を保護するといっても、期限があって、20年間に限定しますよ、ということです。
ここで「独占的に実施」と言う意味は、特許権のある発明を他の人や会社が実施したときには、これを差し止めたり、損害賠償を請求したりできる、ということです。つまり、「真似はやめてね」、さらに「真似しているのならお金払ってね」ということです。
まとめ
- 「発明特許」という言葉は使いません。
- 発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの、を意味します。
- 特許とは、発明を特許庁で審査してもらって認められれば、国からもらえる独占的な権利です。出願から20年の期間です。
皆様も発明をして特許権を取得しませんか?そして、発明を独占的に実施することを通じて、究極的には日本の産業を発達させましょう!