弁理士が直伝!特許申請の流れをわかりやすく解説
はじめに
特許申請って、どんな手順で進むのでしょうか?はじめての方はわからないですよね。この記事では、特許申請の全体的な流れ・進み方について、弁理士おびかねが、初心者にもわかりやすく解説します。
それほど難しい手順はないです。実際の手続きは、特許申請の専門家である弁理士に任せてしまえば適切にサポートしてくれます。
特許申請の流れ
以下のステップ1~ステップ6のような流れになります。
弁理士に発明した内容を説明します。最近では、面談以外でもZOOMなどのウェブミーティングも活用されています。弁理士への説明には、あまり多くの書類は必要ないです。A4で1枚程度(もっと少なくてOK)の文章と、手書き図面が2つ3つあれば十分です。
ミーティング後、1ヶ月くらいで弁理士が申請書類を書いてくれますので、お客様側でチェックしていただきます。その後、申請書類を特許庁に提出します。提出作業は、弁理士がオンライン(インターネット経由)で行います。以下の各書類を弁理士が作成して提出してくれます。
- 願書
- 特許請求の範囲
- 明細書
- 要約書
- 図面
特許庁への提出と同時に、出願番号が付けられます。例えば「特願2023−000001」といった番号です。
次に、特許庁に審査請求を提出します。審査請求をしないと、特許庁では審査をしてくれません。特許庁では審査官が審査するのですが、審査官もたくさんの案件があるので、けっこう待たされます。平均すると約10ヶ月の待ち期間があります。
待ちたくない!という方は、条件を満たせば、早期審査を利用できます。この早期審査を利用すれば、待ち期間は平均で約3ヶ月まで短縮されます。約7ヶ月も早くなります。
審査請求には約15万円くらいの印紙代がかかりますが、減免制度を利用すれば 1/3 ~ 1/2 に減額できます。なお、審査請求は、出願から3年以内にする必要があります。出願と同時に審査請求することもできます。審査請求を忘れると、出願が取り下げになってしまいます。
審査請求すると、特許庁の審査官が申請書類を審査します。大部分(9割以上)の申請書類に対しては「特許にできない」旨の審査結果が通知されます。この「特許にできない」旨の通知を「拒絶理由通知」といいます。拒絶理由通知には、新規性がない、とか、進歩性がない、といった理由が書かれています。この通知に対しては60日以内に何らかの対応をとる必要があります。
代表的な(もっとも多い)拒絶理由として以下があります。
- 新規性がない:過去にまったく同じ発明が存在していた場合に通知されます。
- 進歩性がない:過去の複数の発明を組合わせると、出願した発明に到達できる場合に通知されます。
- 記載不備(不明確):請求の範囲の記載がわかりにくいと、通知されます。
拒絶理由通知に対しては、意見書と補正書を提出するのが一般的な対応策です。60日以内に提出します。この60日は1ヶ月単位で最大3ヶ月延長できます(印紙代がかかります)。
審査官が意見書と補正書を読んで、拒絶の理由が解消されていれば、特許査定が通知されます。特許査定の対して30日以内に特許料(1~3年分の登録料)を払えば、めでたく権利が発生します。その後、特許証(賞状のような黄色い厚紙)が送られてきます。
まとめ
特許申請の流れを説明してきました。弁理士とのミーティングから特許査定・登録まで、通常の場合で約12か月かかり、早期審査した場合で約5ヵ月かかります。
今回は、うまく進んで特許権(権利)になった場合について説明しましたが、特許庁で拒絶されてしまう場合もあります。その場合でも、以下のように拒絶査定不服審判を請求して争うことができます。
- 弁理士とミーティング
- 出願
- 審査請求
- 拒絶理由通知
- 補正書と意見書を提出(↑ここまでは、同じ)
- 拒絶査定
- 拒絶査定不服審判
- 特許審決/拒絶審決
特許申請の手続きの流れを理解して、スムーズに権利取得しましょう!